4職場革新懇合同シンポジウム開催 11/23
産業・企業の「社会的責任」を問う
原発事故、東芝粉飾決算、三菱自動車燃費偽装、税逃れなど、大企業の違法・脱法行為が問題とされる中、企業の社会的責任を鋭く問うシンポジウムとなりました
コーディネイターの五十嵐仁法政大学名誉教授(東京革新懇代表世話人)
新自由主義、軍事化のもとで、職場と社会の安心・安全が脅かされている。会社自身もまともな会社にし、発展が可能となるようにしなければ、会社にとっても、社員にとっても未来がない。共同と統一の力で「安全・安心」を確保し、そして最終的には政治を変える。会社の責任を「社会的に問う」、これが今日的な課題だ。
あいおい損保革新懇の栗原伸夫さん
本来「戦争に起因する損害」は保険金支払いの対象にならず、「損害保険産業は平和産業」だ。ところが過去「空襲保険」など販売。南スーダンに派遣される自衛隊員に「PKO」保険を販売。事故の際に、速やかな損害の回復と社会復帰のためのサポートを行うのが損保会社の使命。しかし、社員は疲弊し、競争の激化、利潤追求優先、資産運用の比重増大で「在り様」が根底から問われる。
西武革新懇の青木静子さん
電通の過労死は「企業は何のために存在するのか」を根本から問うている。鉄道事業の安全・安心は、故障のない車両、ホームドア設置などハードな面と運転手・車掌などへの顧客対応教育等のソフト面も求められる。軽井沢スキーバス事故で17名が死亡。規制緩和により従業員の安全・安心が保障されない中での事故。企業の社会的責任は、労働者の安全・安心を保障してこそ果たされる。
地下鉄革新懇の平本隆人さん
ワンマン化されると車掌ばかりか駅員まで削減。運転手はモニターで構内全体の状況を独りで見ている。可動柵を設置したうえで十分な要員配置が必要。2000年に死者5名、重軽傷者30数名を出した中目黒駅近くの脱線・衝突事故も、脱線防護レールがなかった。「利益優先」から「安全優先」の地下鉄に転換させなければならない。
全日空革新懇の杉山公一さん
戦争・テロ、原発事故などは運行停止や旅客離れに繋がる。航空産業は、平和でなければ成り立たない。スカイマークの猪股整備士、全日空佐賀便機長の過労死にも過酷な勤務実態があった。客室乗務員の採用も困難なほどの労働条件下にある。有資格整備士が行ってきた、到着から出発までの「飛行間点検」を無しにする会社提案、「安全・安心」が危機的状況にある。